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香澄とつかさのだらだら生活239日目

 女子寮のある部屋での会話

(横たわる真鍋)

真鍋:う~……苦しい……

(真鍋の額の汗を拭きながら)

辻 :だからほどほどにしとけっていつも言ってるのに。
真鍋:う~~……
草薙:でも、あれでこそつかささんですよね。
辻 :まあ、口撃であれだけ逆上させられるのもつかさくらいだけど……
真鍋:へへ……へ……ある意味……勝った……
辻 :分かったから黙って寝てろ。
真鍋:………………う~……
辻 :今日の前半は、間違いなくつかさがもりあげたよ……
真鍋:…………メインは?……
草薙:盛り上がりましたよ。
辻 :今日は最初から最後までクライマックスでいけたよ。
真鍋:来島先輩、やったんだ……
辻 :うん。間違いなく最近の来島さんのベストバウド。
真鍋:そっか……見たかったな……
辻 :今度、ビデオみせてやるから今は寝ていろ
真鍋:うん……
草薙:お水、変えてきますね。
辻 :うん、お願い。

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香澄とつかさのだらだら生活238日目

 女子寮のある部屋での会話

(スポーツ新聞を囲んで唸る3人)

真鍋:………………
辻 :………………
草薙:………………
真鍋:どうなのさ、これ。
辻 :どうって言われてもなぁ。
草薙:来島さんの試合は明日だというのに……

(スクープ! 理沙子引退試合、3人目確定)

真鍋:………………
辻 :………………
草薙:………………

(横浜アリーナでミミ吉原と激突!!)

辻 :……どっから漏れたの、これ?
真鍋:明日なのに……

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香澄とつかさのだらだら生活237日目

 女子寮のある部屋での会話

(3人、入室)

真鍋:……あ~、疲れた……
辻 :練習からそのまま買い物って……結構…………くるね。
草薙:仕方ありません。なかなか見つからなかったのですから
辻 :いざ探すと……なかなかないもんだ。
真鍋:つか、近所のコンビニだったら最初に当たればよかった……
草薙:それは結果論というものです。
真鍋:そ~かな~?
辻 :そういうものだと思っておこうよ。
真鍋:まあ、香澄んがそういうなら。
草薙:ああ、モーラを再びこの手にできるとは……
真鍋:(小声)4時間歩きまわってまで手に入れるもん?
辻 :ボクも結局スライム買っちゃった。
真鍋:香澄んもまだまだ子供だねぇ。
辻 :つかさが言うか。
草薙:つかささんの荷物が一番大きいように見えますが……
辻 :そういや、店よるたびに荷物ふえてったような気がする。
真鍋:珍しいものおおくてさ~
辻 :何買ったの?
真鍋:いろいろ。
辻 :うわ、黒ひげ危機一髪だ。
草薙:これが……実物は初めて見ました。
辻 :…………あれ? 2つある。
真鍋:そっちは赤ひげ危機一髪。
辻 :パチもんかっ。
草薙:なぜ両方買うのでしょう。
辻 :あ、モノポリーも2つ買ってる。
真鍋:日本版とアメリカ版。
草薙:どちらかでよかったのでは……
真鍋:そこをあえて両方。
草薙:これは……将棋? 何か違うような。
辻 :お、軍人将棋。
草薙:ああ、名前だけは聞いたことがあります。
辻 :つかさ、渋いね~。
真鍋:いや、なんか珍しかったから。
辻 :ルールは?
真鍋:しんない。
辻 :意味なっ!
草薙:他にも色々と……
辻 :お、ポンプではねるカエル。名前なんていうんだろ……
真鍋:お風呂用に買った~。
草薙:3つありますね……
辻 :これも何か違うの?
真鍋:んにゃ、全部同じ。あたしと香澄んとみこと先輩用。
辻 :いや、このトシで風呂にこれもってくのは……
草薙:おばけ……けむり?
真鍋:うん、良くわかんないけど安かったから。
辻 :なつかしいな~。地元のお祭りだと、これ絶対売ってた。
真鍋:これ、どういうのなの?
辻 :粘つくのが入ってるから、それを指につけてね……

(茶色い小さい封筒を取り出す草薙)

草薙:これは?
真鍋:それもわけわかんないけど、勢いで買った~。
草薙:サソリの標本? 猛毒……注意?
辻 :うわ懐かしいっ!
真鍋:なに入ってるんだろうね。
草薙:文字通り標本でしょうか。軽いですし。
真鍋:みてみよ。
草薙:ええ。

(2人で袋を覗き込もうとする)

真鍋:毒とか……まさかね。

(――ガサガサガサガサガサガサガサっ!)

真鍋:ぎゃ――――――――――――っ!
草薙:ひゃっ!

(慌てて袋を手放す2人)

真鍋:やべぇ、死んでない!
草薙:えいっ! えいっ!

(スリッパで封筒を何度も叩く草薙)

辻 :すごーい。サソリの標本(※)にひっかかった人初めてみた!
真鍋:ひっかかったって……
辻 :子供の頃、工作で作らされたな~。
草薙:作った?

(改めて封筒を覗き込む2人)

真鍋:ぐあー!
草薙:…………まあ……
真鍋:こんなのに200円も払ったのかあたしー!
辻 :そんなもんそんなもん……お、パッチンガムまで買ってる。
真鍋:くあー、なんかくやしー!

(ガムを引き抜く辻)

(パチーン!)

辻 :いてっ!
草薙:つかささん?
辻 :そうそう、これこれ。
真鍋:香澄ん……なんで嬉しそうなの?



※:輪ゴムに金属片(5円玉など)を結んで何度も回転させてひねった状態で封筒に入れるオモチャ。封筒をあけるとゴムが回転してガサガサ言う

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香澄とつかさのだらだら生活236日目

 女子寮のある部屋での会話

(真鍋、入室)

真鍋:見てきた見てきた。
辻 :すごかったでしょ?
真鍋:うん、なにあれ。すごー。
草薙:わずか2日の修行で、あれだけ変わることが出来るんですね……
真鍋:だよねー。もう、スライムがスライムベスになったくらいの変化!
辻 :よくわかんないけど、うん。
草薙:ですね。
真鍋:いや今のはつっこんでよ! つっこみ待ちだったのに!!
辻 :そんなこと言われても、スライムの種類なんかしらないし。
草薙:あれですよね。緑色のどろどろで、お風呂で遊ぶと溶けてしまう……
真鍋:えっと、あたしみこと先輩のネタがわかんない……
草薙:で……でも、遊んでいるとゴミがまぎれませんか?
辻 :あー……なんとなく覚えてる。今もファミレスとかで売ってる。
草薙:あれを食べるのですか!?
辻 :いや、玩具コーナーに。
真鍋:なんかわかんないけど……まーいーや……
草薙:私、モーラを操るのには自信があります。
真鍋:それもわかんない……
辻 :モーラかー……懐かしいなー
真鍋:どんなの?
辻 :毛の生えた蛇みたいなやつでね。
草薙:見えない糸を使って操るのです。
辻 :たまに、コンビニに置いてる。
草薙:置いているのですか?
辻 :うん。

(立ち上がる草薙)

辻 :みことさん?
草薙:ちょっとお店まで……
辻 :いや、近所のコンビニにあるかは知らないよ。
真鍋:なんかもー、来島さんの話題から外れまくってる。
草薙:では……
辻 :あ、ならボクもいく。小腹すいたし。
真鍋:あ、じゃーあたしもあたしもー。
草薙:では、3人で。
真鍋:おー。
草薙:やはり、売っているのはオレンジですか?
辻 :ボクが見たのはそれだけど……
真鍋:なんかしんないけど、香澄んも買うならあたしも買うー
辻 :ボクは……うーん、どうしよう?

(3人、退室)

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香澄とつかさのだらだら生活235日目

 女子寮のある部屋での会話

(祐希子、入室)

祐希子:あれー?

(もぬけの殻)

祐希子:今日もいない。
祐希子:変だな……
祐希子:せっかくおいしいカレーあるのになー
祐希子:仕方ない。残った子たちと食べよう。
祐希子:でも……なんか人数少ないよね……

(祐希子、退室)

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香澄とつかさのだらだら生活234日目

 女子寮のある部屋での会話

辻 :来島先輩、戻ってきた?
草薙:いえ……
真鍋:不確定情報だけど、武者修行に出たらしいよ。
辻 :武者修行って……
草薙:やはり、プレッシャーなのでしょうね。
真鍋:てか、マスコミの反応ビミョーなんだもん。

(スポーツ新聞を見る真鍋)

辻 :微妙じゃないじゃん。
草薙:そうですよ。こんなに大きく記事になっています。
辻 :文章も煽ってるし。
草薙:盛り上がる感じがしますよね。
辻 :お客さんもきっと楽しみにしてるよ。
草薙:ええ、満員御礼間違いなしです。
真鍋:………………………………………………
辻 :なに? その目。
草薙:どうかしましたか、つかささん?
真鍋:いや、いいんだけど。来島さんにはあたしも借りがいっぱいあるし。
辻 :うん。まあ……来島さんにはがんばってもらわないと。
真鍋:なにより、早く帰ってきてもらわないと……
草薙:………………ですね。

(かすかに漂うカレーのにおい)

真鍋:ストッパーいないと、大変なことになるし。
辻 :だね。

(立ち上がる3人)

草薙:私たちも修行の旅に出た方がいいですね。
辻 :異論無し。
真鍋:てか、今すぐ修行しよう。
辻 :アテは?
真鍋:そんなもん、出てから決めればいいよ。
草薙:ですね。手遅れにならないうちに……
辻 :よし、行こう。
真鍋:修行修行。
草薙:ええ、修行です。決して逃げ出すわけではありません。

(3人、そそくさと退室)

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香澄とつかさのだらだら生活233日目

 女子寮のある部屋での会話

(それは、理沙子邸で丁稚奉公していた真鍋の情報)

辻 :え?
草薙:そうなのですか?
真鍋:うん。
辻 :そっか……不思議はないよね。
草薙:ですね。順当といえば順当です。
真鍋:明日、記者会見だって。
辻 :へ~。
草薙:………………
真鍋:何か微妙な顔してるよね。2人とも。
辻 :そ、そう?
草薙:そんなことはないと思いますけど。
辻 :そうだよ。ごく当然の決定だとおもう。
草薙:ですよね。
辻 :……………………
草薙:……………………
真鍋:ほら、微妙な顔してる。
辻 :そんなことないって。
草薙:そうです。そんな顔してません。
真鍋:ホントに?
辻 :ホントだって。
草薙:決して他意はありません。
真鍋:ふ~ん。
辻 :……………………
草薙:……………………
真鍋:ま、とにかく次の興行だってさ。

(パンサー理沙子カウントダウン第二戦。vsボンバー来島、決定)

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香澄とつかさのだらだら生活232日目

 女子寮のある部屋での会話

(真鍋、入室)

真鍋:う~~、ただいま……
草薙:お疲れ様です。

(いそいそと蒸しタオルを持ってくる草薙)

真鍋:つかれ……うぷー

(蒸しタオルで真鍋の顔を拭く草薙)

辻 :おかえりー。
真鍋:ぷは……つかれたー……早く解放されてー。
辻 :1日2日で解放されるようなもんでもないでしょ。
真鍋:そりゃそうなん……あひゃ

(服に手を入れて背中を拭く)

真鍋:あふ。そこそこ……
辻 :あのさ……みことさんは先輩なんだから。
草薙:いえ、いいのです。これくらいしか役に立たないのですから……
真鍋:はふー。みこと先輩てくにしゃ~ん。
辻 :変なイントネーションつけるな。

(そのまま前を拭く)

草薙:逆を言えば、すべて後輩に押しつけているこのふがいなさ……
真鍋:あ……なんかホントにみこと先輩うま……

(そのまま……)

真鍋:あ、ちょっちまった。下いいっ! そこいいって!!
草薙:…………そうですか?
辻 :うん……みことさんもやりすぎ。
草薙:そうですね。後でお風呂にいくでしょうし。
辻 :そういう……………………ことにしておこう。
草薙:それじゃ、お茶でも煎れますね。

(茶の支度を始める草薙)

真鍋:あー、びっくりした。ナチュラルに手がのびてくんだもん。
辻 :つかさでもダメなんだ?
真鍋:うん、なんか邪な心なしにやられると負けた気分になる。
辻 :あればいいのか?
真鍋:うーん……みこと先輩ならアリかなあ
辻 :あのなぁ。
真鍋:あ、でも一番はもちろん香澄んだからっ!
辻 :そんな慌てた感じで言わなくてもいいから。
真鍋:ほんと! なんなら今からでもっ!!
辻 :今日、1人でフロいけ。
真鍋:えー!
辻 :えーじゃない。
真鍋:まあ、あたしは別に香澄んが汚れててもいいけど~
辻 :いい加減、その話から離れろ。
真鍋:むしろ、その方が燃え…………ぎゅ~~

(真鍋を締め上げる辻)

真鍋:か……香澄んの愛はキツ…………ぎゅ~~
辻 :つかさ、疲れててやめ時わかってないだろ?

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香澄とつかさのだらだら生活231日目

 女子寮のある部屋での会話

(草薙、入室)

草薙:……ただ今戻りました……
辻 :おかえりー。
草薙:はぁ……
辻 :あれ、みことさん1人?
草薙:はい……

(しょげかえっている草薙)

草薙:クビになってしまいました……
辻 :クビ?
草薙:はい。
辻 :えーと……理沙子さんの付き人?
草薙:………………はい。
辻 :……………………
草薙:団体内ならよかったのですが……その、理沙子さんの家ですと……
辻 :あ~~
草薙:やはり、一言で納得されてしまうのですね。私……

(絶望の淵に沈む草薙)

辻 :あー、ごめんごめん。
草薙:いいんです……
辻 :つかさは?
草薙:「1人の方がマシ」と言われました。
辻 :(フォローできない……)
草薙:…………………………

(部屋の隅で正座する草薙)

辻 :……みことさん?
草薙:せめて、つかささんが帰ってくるまで……
辻 :あー……
草薙:……………………
辻 :(どーしよー)

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香澄とつかさのだらだら生活230日目

 女子寮のある部屋での会話

(帰宅してきた3人)

辻 :ふー、今日もキツかった。
真鍋:う~……香澄んは純粋に試合だけだからいいじゃんか……
草薙:そうです……私達は理沙子先輩の付き人も……
辻 :いや、それは自業自得だし。
草薙:そ……それはそうなのですが……
真鍋:人使いの荒さ、並じゃないよ……
辻 :試合前は勘弁してもらってるじゃん。
真鍋:そーだけどさー……
草薙:こうまで苦行とは……
辻 :でも、弁償なんて無理でしょ?
草薙:……………………
真鍋:……………………
辻 :労働で勘弁してくれるんだから優しいじゃん
真鍋:労働前のおしおきもあったけどね……
草薙:思い出させないでください……
辻 :償いはしなきゃ、ね。
草薙:……………………
真鍋:……………………
辻 :……どうしたの?
草薙:……………………
真鍋:……………………
辻 :すっごい不満そうな顔してるけど?
草薙:いえ、香澄さんの言う事はごもっともなのですが……
真鍋:正論って、逃げ場ない状態で言われるとすっごくムカつく。
辻 :そうは言ってもなあ。
真鍋:……………………
草薙:……………………
真鍋:香澄んて、釣った魚には餌をやらないタイプ?
草薙:まぁ……
辻 :何言ってるんだか……いや、みことさんも「まぁ」じゃなく。

(真鍋の携帯が鳴る)

真鍋:げ。
草薙:う……
辻 :呼び出し?
真鍋:うぅ~

(携帯見て)

真鍋:2人でお酒飲んでるから、つまみ買ってこいって……
草薙:今日、あれだけ激しい試合していたのに……
辻 :上原さん、長居できないからね。
真鍋:香澄~ん。
辻 :いってらっしゃ~い。
真鍋:車で送ってってよ~。
辻 :ボクまだ仮免。
草薙:しかたありません……行きましょう、つかささん。
真鍋:くそ~……
辻 :夜のお勤めごくろうさま~
真鍋:香澄んのいけず~。
草薙:香澄さんが加虐趣味の持ち主だったなんて……
辻 :ボクにあたらないでよー。
真鍋:う~~。

(2人、しぶしぶ退室)

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香澄とつかさのだらだら生活229日目

 女子寮のある部屋での風景

(無人の部屋)



(今日は、どこで何が行われているのか?)



(とにかく、今日はこの部屋では何も起こらない)

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香澄とつかさのだらだら生活228日目

 女子寮のある部屋での会話

(理沙子の携帯が鳴る)

理沙子:はい、佐久間です。ああ、香澄?

(寝ていた上原が身を起こす)

上原:ん……電話か?
理沙子:何? え? ……………………えっ!?
上原:………………?
理沙子:何だってそんな……あ、いえいいわ。想像ついた。
上原:……………………
理沙子:ええ、わかったわ。そこにそのままいてね……
上原:……………………
理沙子:うん……うん。そう。絶対もう2人には触らせないで。
上原:……………………
理沙子:いい? 近寄らせもしないでね。今すぐ戻るから。
上原:……………………
理沙子:それじゃ。

(携帯を切る理沙子)

上原:何があったんだ? 何か、悲鳴っぽいのがここにいても聞こえたが。

(少しだけ顔が引きつっている理沙子)

理沙子:うん……なんていうか……まだまだ若い子たちを侮ってたかな?
上原:そ、そうか……何か顔が怖いぞ?
理沙子:気のせいよ。
上原:……そういうことにしておこう。
理沙子:すぐに戻らなきゃ。今日子はどうする?
上原:つきあおう。
理沙子:ありがと。
上原:理沙子を1人で行かせたらいけない気がするからな。
理沙子:あら、そこまではしないわよ。
上原:そこまで以前はするつもりなんだろ?
理沙子:ふふ。

(2人、退室)

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香澄とつかさのだらだら生活227日目

 女子寮のある部屋での会話

(部屋で感慨にふける上原)

上原:懐かしいなあ……この部屋も。
理沙子:そうね。
上原:この部屋から始まったんだよな。
理沙子:ええ……
上原:…………今は、ベットをやめたのか?
理沙子:ん~~、ここはちょっと特別でね。
上原:そうか……

(しみじみと見回す上原)

上原:流石に……ボロくなったなぁ。
理沙子:元気な子たちが多いから。
上原:そうか……
理沙子:ほら、ここ見て

(壁の傷を指さす理沙子)

上原:……?
理沙子:今日子が酔った時の。
上原:あっ……
理沙子:傑作だったわ。
上原:忘れろ。
理沙子:い・や。一生覚えてるわよ。
上原:…………勝手にしろ。

(無理に話題を変えるようと)

上原:そ、そういえばこの部屋の子らには悪いことをしたな。
理沙子:何が?
上原:追い出すような形になってしまってさ。
理沙子:いいのよ。私の家の鍵を渡しておいたし。
上原:理沙子の家か。
理沙子:喜んでたでしょ。
上原:まあ、確かに……
理沙子:今頃向こうで満喫してるわよ。
上原:帰ったらボロボロになってたりしてな。
理沙子:ふふ。まさ……

(一瞬、言葉が止まる)

理沙子:……か。大丈夫よ。
上原:そうか。
理沙子:(ぽつり)そこまで怖いもの知らずじゃないと思うわ
上原:ん?
理沙子:ううん。あれでわきまえている子たちよ。
上原:そうか……

(改めて見回して)

上原:いろいろ……あったなぁ。

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香澄とつかさのだらだら生活226日目

 女子寮のある部屋での会話

(真鍋、入室)

真鍋:隠密、ただ今戻りましたっ!

(ビシっと無意味に敬礼)

辻 :どうだった?
真鍋:んー、どうもこうも……もめっぱなし。結論出そうにない。
辻 :そっかぁ。
草薙:無理もありませんね。
真鍋:ただ、今度の興行では2番手に予定されてた人が繰り上げでFA。
辻 :あ、そうなんだ。
草薙:2番手……誰なのです?
辻 :そういや内部でも発表されてない……
草薙:そうなんですか。
辻 :うん、記者会見で発表するはずだったんだけどね……
真鍋:むっちゃくちゃになったからねぇ。
辻 :で、逆にそれを利用して伏せることになったの。
草薙:内部でも?
辻 :そ。内部でも。
真鍋:来島先輩にカマかけたんだけど、教えてくんないしさー。
草薙:なるほど……
辻 :仕方ないよ。内部でも言ったらマスコミにヒッカケられる子いるし。
真鍋:綾っぺとかね。
辻 :だね。
草薙:で、その2人目は?
真鍋:名前出さずに話してたから絶対とは言えないよ?
辻 :うん。
真鍋:この人。

(両手の指を2本ずつそろえて目の上に)

辻 :?
草薙:上原さんですか。
真鍋:あたり。
辻 :あ~あ~…………って、つかさ? みことさん?
草薙:はっ……わ、私……
真鍋:にししし、みこと先輩即答~。
草薙:何て失礼なことをっ!!
辻 :つかさ、今のは外では絶対やるなよ。みことさんもね。
真鍋:は~~い。
草薙:面目ありません。
辻 :に、しても上原さんか……日本に帰ってきてたんだ……
真鍋:都内に潜伏している模様であります。ボス。
辻 :まあ……当然だよなあ。理沙子さんの引退だもの。

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香澄とつかさのだらだら生活225日目

 女子寮のある部屋での会話

(スポーツ新聞を中心にして座る3人)

辻 :……………………
草薙:……………………
真鍋:……………………

(新聞の大見出しには、こう書かれている)

辻 :……………………
草薙:……………………
真鍋:……………………

(市ヶ谷、練習中に右腕骨折!)

真鍋:練習中……
辻 :どーなんの……今度の興行。
草薙:さぁ……
真鍋:無理矢理試合すんじゃない?
辻 :いや、駄目でしょ……もうそんな時代じゃないし
草薙:あの……前売りなどは……?
辻 :完売。
真鍋:ある意味……やってくれすぎる……

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香澄とつかさのだらだら生活224日目

 女子寮のある部屋での会話

(布団に憮然と横たわる辻)

辻 :…………………………

(辻の横で土下座している草薙と真鍋)

草薙:あ……あの……本当に……
辻 :もういいって。
真鍋:うぅっ……みこと先輩……足が……痺れ……
草薙:駄目です。つかささんも同罪なのですから。
辻 :あのさ……ずっとそうされてるとかえって寝れない。
草薙:し、しかし。他にお詫びの方法が……
真鍋:ほ、ホントに足が……足が……
草薙:どうやったら償えるのでしょう?
辻 :はぁ……わかった。じゃ、こうしよう。
草薙:はい。
辻 :ずっと正座で足もつらいでしょ。
真鍋:うん……本当に……やば…………
辻 :2人でお互いの足をマッサージ。
真鍋:げっ!
草薙:え?
辻 :それでチャラにしよ。
草薙:そんなことで良いのですか?
辻 :うん。
真鍋:ちょっとまって香澄ん! そんなことされたらあたしっ
辻 :そのかわり、今からすぐね。
草薙:はあ……分かりました。

(すっくと立つ草薙)

草薙:では、つかささん。
真鍋:まって! 死ぬから、それ死ぬから!! 痺れてるの!!!

(慌てて逃げようとする真鍋。しかし、足が痺れて立つことが出来ない)

草薙:痺れで人は死にません。

(足をむんずと掴む草薙)

真鍋:ひ――――――――――――――――――っ!

(自分の足を真鍋の前に差し出し)

草薙:さあ、つかささんも私の足を。
真鍋:ひぎゃっ、ゐっ、はっ!
辻 :あ、特に足先とかね。
草薙:はい。
真鍋:み――――――――――――――――――――――っ!!!

(バンバンと草薙の足を叩く真鍋)

草薙:痛っ! つかささん、叩くのではなく……
辻 :これで懲りてくれればいいんだけど……
真鍋:こっ、これが産みの苦しみっ……ひ――――っ!
辻 :いや……無理か。みことさん。左右均等に。
草薙:は、はい。
真鍋:こ、こういうときこそラマーズ法っ! ぎゃ――――!!
辻 :これくらいで懲りてたら、リングでもとっくにおとなしくなってるよね
真鍋:む、無痛分娩でお願い――っ!
辻 :うーん……ある意味、認めるしかないな。

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香澄とつかさのだらだら生活223日目

 女子寮のある部屋での会話

(風呂から戻ってきた辻と草薙)

真鍋:あ、おかえりー。
辻 :ただいまー。
草薙:良い湯でした。
真鍋:あたしも時間ずらして一緒に入ればよかったな~。
草薙:あら?

(違和感に気づく草薙)

真鍋:なに?
草薙:つかささん……そのおなかは?

(異様におなかがふくらんでるパジャマ姿の真鍋)

真鍋:ああ、これ?
辻 :(あ~、つっこまなかっのに)

(両手を頬に添え、恥じらうように)

真鍋:あたしと香澄んの赤ちゃん……
草薙:ええっ!?
辻 :そうきたか。
草薙:え……え……?

(よろよろと後じさる草薙)

草薙:い、いつのまにっ!
辻 :いや、いつ以前の問題に気づこうよ。
真鍋:いやん♪ いつ仕込んだかって聞きたいの?
辻 :仕込んだとか言うな。
真鍋:みこと先輩のす・け・べ。
草薙:あ、ああ……そうですね! すみません、立ち入った事を……

(顔を真っ赤に染める草薙)

辻 :ボケ2人って、結構辛いんだけど。しかも片方天然。
草薙:な、なにはともあれ……おめでとうござます。
真鍋:えへへへ。ありがとう(にぱっ)
辻 :うわ……なんて邪気のなさそうな笑顔。
草薙:そ、それで男の子なのですか? それとも女の子?
真鍋:そんなのまだわかんないよ~♪
草薙:それもそうですね。すみません、驚いてしまって……
真鍋:びっくりさせようと思って。
草薙:ええ、本当に驚きました。
辻 :はぁぁ(大きなため息)
真鍋:ねぇ、香澄ん。名前はどうしようか? 男の子用と女の子よ……
辻 :はい、きっついツッコミいくよ~。

(おもいっきり真鍋のはらにサッカーボールキック)

真鍋:げはあぁぁっ!

(ごろごろと転がっていく真鍋)

草薙:つかささんっ!?
辻 :この感触……やっぱり枕か……1個ないし。
真鍋:げふ……つ、強すぎっ! 赤ちゃんを殺す気!?
辻 :まだ続ける気かっ。
真鍋:そ、そんなに赤ちゃんが邪魔なの!?
辻 :いいかげん切り上げろっ。
真鍋:そう……そんなに出世の方が大事なんだ……
辻 :あのねー、みことさんが本気にしたらどうす……

(真鍋に近づく辻の襟首をわっしとつかむ草薙)

辻 :お?
草薙:か……香澄さん……

(目に涙を浮かべ、小刻みに震えている草薙)

草薙:わ……わ……私……
辻 :ちょっ……みことさん? 声がウワズッテマスヨ?
草薙:つい先程まであなたを尊敬してました。ほ、本当ですよ?
辻 :あの、みことさん?

(ヤな予感がする辻)

草薙:しかし、たった今から人として軽蔑いたします。

(涙を一筋流したまま、無表情になる)

真鍋:みこと先輩たんまっ!
辻 :いやまって話を……
草薙:言い訳無用! この腐れ外道!!
辻 :だから……うわあぁぁぁぁっっっっっ!

(草薙流古武術最終奥義発動)

真鍋:香澄――――――――ん!

(その時、確かに寮全体が揺れたという)

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香澄とつかさのだらだら生活222日目

 女子寮のある部屋での会話
 
(フロあがりの余興。草薙のブラを借りてみた真鍋)

真鍋:…………………………
辻 :…………………………
草薙:…………………………

(妙な緊張感の中、後ろ手ではめてみる)

真鍋:…………………………
辻 :…………………………
草薙:…………………………

(そーっと手を離してみる)

真鍋:…………………………
辻 :…………………………
草薙:…………………………

(なんとなくいたたまれなくなってきた辻)

辻 :つかさ……
真鍋:…………む~。
辻 :……見えまくってる……
真鍋:む~む~。
草薙:…………あ…………

(声をかけようとするが、うまい言葉の見つからない草薙)

真鍋:…………………………
辻 :…………………………
草薙:…………………………

(とても重い沈黙)

草薙:そ、そうです。私がつかささんの肌着をつければおあいこに!
辻 :みことさん、テンパらなくていいから。言動おかしいから。

(真鍋のブラをつけようとする草薙)

草薙:……う……くっ!
辻 :いや、意味無いからその行動。
真鍋:うわ、なんじゃそのあふれ具合。

(あふれすぎでどうしてもとめられない)

草薙:……………………駄目……
真鍋:ダメじゃないわボケぇ!

(ノリでキレる真鍋)

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香澄とつかさのだらだら生活221日目

 女子寮のある部屋での会話

(くつろいでお茶を飲む3人)

辻 :そろそろ寝ようか。
草薙:そうですね。
真鍋:んー、でも……ちょっと小腹すいたかな。
辻 :今から食べるの?
真鍋:うん、なんかないかな……
辻 :んー……ノルマが残ってるけど?
真鍋:げ、カレーかぁ。
草薙:(びくぅっ!)
辻 :?
真鍋:どうかした?
草薙:い、いえ。何でもありません。
辻 :で、どうする?
真鍋:んー……まだ何となく避けたい。
辻 :でも、早く食べないと冷蔵庫に空きが出来ないし。
真鍋:ていうか、腐りきる前に食べれるの? このカレー。
草薙:(びくぅっ!)
真鍋:ん?
辻 :?
草薙:い、いえ……お気になさらず。
真鍋:?
辻 :でも……何か、顔色悪いよ?
草薙:いえ、本当に大丈夫です。
真鍋:ん~?

(よく見ると、湯飲みを持つ手が小刻みに震えている)

真鍋:………………
草薙:………………
真鍋:(ぴーん)

(草薙ににじにじと寄る真鍋)

草薙:何ですか?
真鍋:(耳元で)大盛りカレー。
草薙:(びくぅっ)ひっ!

(湯飲みをひっくり返す草薙)

真鍋:ぅあっち――――!

(茶をモロにかぶる真鍋)

辻 :うわ、つかさ!?
真鍋:あちちちち……

(真鍋をのぞき込む辻)

辻 :平気!?
真鍋:な……なんとか。煎れたてじゃなくて助かった。
辻 :そう。よかった。でも何で?

(振り返った辻の視界に、部屋の隅でうずくまる草薙)

辻 :み……みことさん?
草薙:は……はい?
真鍋:あついよカレー。
草薙:(びくぅっ)
真鍋:やけどしたらどうしてくれるのさカレー。
草薙:(びくぅっ)す、すみまっ……
辻 :………………あー……

(なんとなく事情を察する辻)

真鍋:カレーカレーカレー。
草薙:(何か追い詰められた雰囲気)うぅっ
真鍋:カ……
辻 :はいそこまで。

(真鍋の脳天に辻の拳がめり込む)

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香澄とつかさのだらだら生活220日目

 女子寮のある部屋での会話

(録画していた鬼太郎を見ながら)

真鍋:ねぇ香澄ん。
辻 :ん?
真鍋:平気かなあ、みこと先輩。
辻 :う~ん。
真鍋:変なところで責任感強いよね……
辻 :うん。必死に押しとどめられたもんね。
真鍋:(草薙の声色で)こうなったのは私の責任です。今日は私1人で……
辻 :うまいな、真似。
真鍋:あ、猫娘。
辻 :猫娘ってこんなにかわいかったっけ?
真鍋:……………………
辻 :……………………
真鍋:……………………
辻 :これ終わっても戻ってこなかったら、迎えいこうか。
真鍋:それがいいかも。
辻 :来島さんがいるからヒドイことにはなってないだろうけど。
真鍋:だね。
辻 :その分は安心か。
真鍋:あ、でも……
辻 :ん?
真鍋:みこと先輩のことだから、自分を追い詰めてるかも……
辻 :おいつめるって?
真鍋:あたしらの分まで食べなきゃとか、来島先輩の助けも断って。
辻 :あ……ありそうだ……
真鍋:……………………
辻 :……………………
真鍋:あ、がしゃどくろ。
辻 :2話目からいきなり大物だなー。
真鍋:……………………
辻 :……………………
真鍋:なんかさ。
辻 :ん?
真鍋:みこと先輩が気になって集中できない。
辻 :そだね。見るのは後にして迎えにいこうか。
真鍋:うん。

(一時停止ボタン)

辻 :今日も食堂だっけ?
真鍋:うん。
辻 :よし、急ごう。

(出て行く2人)

(この早い判断が草薙のイロイロを救うことになる)

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香澄とつかさのだらだら生活219日目

 女子寮のある部屋での会話

(草薙、ドアをあけて顔を覗かせる)

草薙:お二方、います?
辻 :あ、おかえりー。
真鍋:りー。
草薙:ああ、よかった。
辻 :なに?
草薙:ええ、実は理沙子さんの引退の件で。
辻 :理沙子さん?
草薙:ええ、選手会の方で何かやろうじゃないかと。
真鍋:お、やっぱやるんだ。
草薙:ええ。
辻 :力になれるなら、喜んで。
草薙:よかった。それで今から打ち合わせらしいんですが……お時間は?
辻 :全然平気。
真鍋:いくいく。どこ?
草薙:だ、そうですが……

(後ろを振り返る)

祐希子:(声だけ)オッケ。じゃ、7時に食堂で。
草薙:はい。
祐希子:(声だけ)みんなご飯まだでしょ?
草薙:ええ。
祐希子:(声だけ)カレー用意してるから。食べながら相談しよ。
草薙:お心遣い、痛み入ります。
祐希子:(声だけ)じゃ、この部屋3人ね。
草薙:はい。
祐希子:(声だけ)それなら……ジャー1つ追加でいいか。
草薙:ジャー?
祐希子:(声だけ)んじゃ、あとで。
草薙:はい。

(去っていく足音)

草薙:とのことです。

(入室する草薙)

辻 :……………………
真鍋:……………………

(言葉も出ない2人)

草薙:?
辻 :……………………
真鍋:……………………
草薙:あの~?
辻 :……………………
真鍋:……………………

(ガマの油状態)

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澄とつかさのだらだら生活218日目

 女子寮のある部屋での会話

(草薙、入室)

草薙:ただ今戻りました。
辻 :あ、おかえりー。
真鍋:長かったね。
草薙:ええ、休暇ついでに特訓させられてました。
辻 :…………
真鍋:特訓って、ついでにするものだったっけ?
辻 :少なくとも、ボクはしない。
草薙:ふぅ……
辻 :あ、そういえば平気だった?
草薙:つかささんの後始末ですか?
辻 :うん。
草薙:ええ……辛うじて。
辻 :そっかー。おつかれさま。
草薙:何とか死者を出さずにすみました。
真鍋:ぶっ。
辻 :死者って……
真鍋:あ、あはは……やだなぁ、みこと先輩が言うと冗談に聞こえないって。
草薙:冗談?
真鍋:……………………
草薙:…………?
真鍋:……………………
草薙:……??
真鍋:……(汗)
辻 :ま、まぁなにはともあれよかったよかった!
真鍋:そ、そうだねっ! よかったよかった!!
草薙:ええ、まったくです。
辻 :あ、お茶煎れるね。
草薙:でもつかささん。ああいうことは二度としないでくださいね。
真鍋:う……うん。
草薙:私が言うのも何ですが、ああいう所は本当にお堅いのです。
真鍋:わ、わかったって。
草薙:ああいうところの人たちは免疫がないのです。
真鍋:悪かったってー。
草薙:つかささん相手でも、あっという間に籠絡されてしまうのですから。
真鍋:ごめ…………え?
草薙:本当に嘆かわしい……
真鍋:あたし今……バカにされた?
辻 :黙ってきいとけ。はい、お茶。
草薙:ありがとうございます。
真鍋:あたし………………でも?
辻 :食事は?
草薙:駅前でいただきました。
真鍋:(ぶつぶつ)みこと先輩の事だから他意はないって分かるけどさ
草薙:そういえば、不在の間に何か変わったこととかありました。
辻 :ん、あー……結構あるかな。
草薙:そうですか、どのような事が?
辻 :んーと…………
草薙:?
辻 :おちついて聞いてね。
草薙:はい。
辻 :実は、理沙子さんがね……

(この10秒後、落ち着かなくなる草薙)

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澄とつかさのだらだら生活217日目

 女子寮のある部屋での会話

(出かける支度をしている2人)

辻 :じゃ、そろそろいくよー。
真鍋:うん。
辻 :今日、つかさは?
真鍋:1つめで美沙ちーとタッグ。
辻 :ふーん。
真鍋:香澄んは?
辻 :セミで6人……理沙子さんと組
真鍋:あ、いいなー。
辻 :相手、市ヶ谷さん組なんだけど。
真鍋:……イ………………イイナー…………
辻 :昨日の今日で、頭いたい。
真鍋:……セコンドつくね。
辻 :いや、いい。
真鍋:なんでー。なんかマジに不安なカードじゃん。
辻 :つかさがいるとかえってトラブルおきそう。
真鍋:そ、そんなことないよ(目をそらせつつ)。
辻 :今日は、とにかく気合い入れるよ。
真鍋:ん?
辻 :ボクが理沙子さんと絡むのは今日が最後だろうし……
真鍋:そっかー……
辻 :前哨戦になるから荒れるだろうけど。
真鍋:あのババァ、空気よまないもんなー。
辻 :市ヶ谷さんは、空気読む必要ない人だから。
真鍋:ん?
辻 :あの人は……自分で空気を作る人。
真鍋:……………………
辻 :その能力だけは、ウチで間違いなくナンバー1だよね。
真鍋:……香澄ん、ババァを認めてはいるんだ。
辻 :……? そりゃ、もちろん。好き嫌いはおいとくけど。
真鍋:むー。なんかつまんない。
辻 :なにがさ。
真鍋:むーむー。むー。
辻 :フグみたいになってないで。いくよ。
真鍋:むーむむーむー。

(2人、退室)

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香澄とつかさのだらだら生活216日目

 女子寮のある部屋での会話

(テレビを見てる2人)

真鍋:お、会見始まった。
辻 :社長もいる。
真鍋:こうやってテレビ越しに見ると、ホントに引退すんだなって思うね
辻 :そう?
真鍋:うん。
辻 :お、引退カウントダウンマッチ発表だ。
真鍋:昼までもめてなかった?
辻 :もめてた。決まったのかな。
真鍋:これ、録画だよね。会見何時だった?
辻 :8時くらい?

《広報:カウントダウン第一戦、ビューティ市ヶ谷》

真鍋:ぅお、1つめババァか!?
辻 :あー……あの人、1番手かトリかどっちかぽそう……

《市ヶ谷:オーッホッホッホッホッホッホッホッ!》

真鍋:げ!?

《実況:市ヶ谷選手が乱入してきた!》

真鍋:マジ?
辻 :引退発表の会見なのに……

《市ヶ谷:以降のカード発表は不要ですわ! 何故なら!!》
《広報:市ヶ谷さん、困りますっ》
《市ヶ谷:この私が、第1戦で引導を渡して差し上げるからですわ!!》
《広報:市ヶ谷さん――っ》
《市ヶ谷:そして、その後に女王と呼ばれるのはこの私!!》

真鍋:……………………
辻 :……………………

《市ヶ谷:オーホッホッホッホッホッホッホッホッホッ!》

真鍋:……………………
辻 :……………………
真鍋:いや、なんつーか……
辻 :うん……言葉も出ない……

《実況:2人の乱闘が始まりました!》
《広報:会見が――っ》

真鍋:無茶苦茶だ……このババァ……
辻 :つかさに言われるくらい無茶苦茶だね。

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香澄とつかさのだらだら生活215日目

 女子寮のある部屋での会話

真鍋:……………………
辻 :……………………
真鍋:なんかさあ。
辻 :ん?
真鍋:ここ数日、みんなピリピリしてるね~。
辻 :かもね。
真鍋:らぶらぶなのはここだけだね。
辻 :どこ?
真鍋:ここ。
辻 :ここって、どこ?
真鍋:だからー、あたしと香澄んのあ・い・だ。
辻 :つかさ……
真鍋:なぁに、ダーリン♪
辻 :いいかげん飽きない?
真鍋:全然。
辻 :全然……
真鍋:むしろ昔より好き。
辻 :……………………
真鍋:愛してるぅ♪
辻 :……………………
真鍋:だーいすき。
辻 :………………頭痛くなってきた。
真鍋:大変。病気?
辻 :病気なのはつかさ……
真鍋:あたし病気?
辻 :うん。断じて病気。
真鍋:そっかー。じゃ、寝よう。
辻 :寝るって……
真鍋:ほら寝よう、香澄ん。
辻 :ボクも?
真鍋:香澄んも。頭痛いんでしょ?
辻 :いや、なんつーか……

(布団に潜りつつ)

真鍋:さ。ほらほら。

(掛け布団を持ち上げて辻を呼び込む真鍋)

辻 :あー、わかったわかった。

(どことなく諦めたように布団に潜り込む辻)

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香澄とつかさのだらだら生活214日目

 女子寮のある部屋での会話

(越後、入室)

越後:入るぞ。
辻 :あれ、しのぶさん。
真鍋:珍しい。
越後:ああ、ほら。今、色々と大変だからな。
辻 :手伝いですか。
越後:そういうことだ。
辻 :で、何でしょう?
越後:10時に食堂へ全員集合だ。
真鍋:宴会?
越後:違う。マスコミ対策ミーティングだ。
真鍋:だから、宴会でしょ?

-スパ――――――ン!

真鍋:ぎゃっ!

(どこからか取り出した竹刀をどこかにしまいつつ。)

越後:お前たちが普段、どんなミーティングをしているのかは理解した。
真鍋:つつつ……
越後:が、今回のミーティングは真面目なものだ。
辻 :やっぱり、理沙子さんがらみですか?
越後:ああ。マスコミが寮にまで押しかける可能性があるからな。
真鍋:(ど、どこに竹刀もってたんだ?)
越後:メモるものも用意しておけ。
辻 :はい。
越後:遅れるなよ。
辻 :はい。
越後:あと、この部屋は夜中うるさいとよく苦情が来るぞ。気をつけろ。
辻 :…………は……はい。

(少し頬を赤らめて)

越後:まあ、あれだ……個人の恋愛には口を出さん。
辻 :はぁ……?
越後:だから……あれだ……せめてうるさくないようにだな……
辻 :…………………………………………は?
越後:まあ、とにかくそういう事だ!

(越後、退室)

辻 :………………
真鍋:………………
辻 :なに? 最後の。
真鍋:エロい時の声だと思ったんじやない?
辻 :えっ……ちょっ……
真鍋:まあ、春はサカリの季節だしねぇ。
辻 :それは関係ないっ!

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香澄とつかさのだらだら生活213日目

 女子寮のある部屋での会話

真鍋:で、どうなったの?
辻 :どうって?
真鍋:ゆっこ先輩とババァの喧嘩。
辻 :あー……
真鍋:あたしいなかった時にやりあってたみたいだけど。
辻 :別に。
真鍋:別にって……
辻 :どうもなんないよ。
真鍋:どうもって……すごかったんでしょ?
辻 :みんなですぐ引き離した。
真鍋:ゆっこ先輩とババアでしょ?
辻 :来島さんとかいたし。
真鍋:へー。じゃ、香澄ん……その顔……
辻 :うるさいなー。
真鍋:やられ損?
辻 :損でも得でもないよ。

(辻の顔に、漫画みたいな青タン)

辻 :きれいに入っちゃったんだよね……市ヶ谷さんのヒジ。
真鍋:目……ホントに平気?
辻 :平気。明日一応検査いくけど。
真鍋:………………
辻 :………………
真鍋:あの……さ。
辻 :ん?
真鍋:原因って、やっぱ理沙子さん?
辻 :うん。
真鍋:そっかー……
辻 :なんかね。うん……ピリピリしてる。
真鍋:あー、やだやだ。もっと心にゆとり持たなきゃ。
辻 :まあね。
真鍋:もっとみんな、あたしを見習って……
辻 :それは人としてダメ。
真鍋:ひ……人としてとまで……

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香澄とつかさのだらだら生活212日目

 女子寮のある部屋での会話

(入室する辻)

真鍋:どうだった?
辻 :ん~、何か色々もめてる。
真鍋:もめてるって?
辻 :まず、ね。理沙子さんやめるのは本当だって。
真鍋:やっぱりか~。
辻 :つか、問題はすっぱ抜かれた事かな。
真鍋:ああ、今回のマスコミ発だったもんね。
辻 :そ。だからややこしい。
真鍋:だよねぇ。どっから情報もれたんだろ。
辻 :ボクらにも知らされなかったくらいだし。
真鍋:知ってるのって、誰だったの?
辻 :んー、フロントの偉い人たちと、ベテランの人たち?
真鍋:社長が酔ってどっかのねーちゃんに吹いちゃったんじゃないのぉ?
辻 :か……可能性としてはありそぅ。
真鍋:ああ、でも酔っぱらいになるのは社長だけじゃないか……
辻 :まあね。そういうもれ方なら先輩たちもありえるし。
真鍋:犯人はだれだろ?
辻 :犯人捜しは……まあ、別にいいとして……
真鍋:いいとして……
辻 :心の準備できてない人、多そうだよなぁ……
真鍋:だねぇ……
辻 :うん。理沙子さん目標にしてた人も多いからね。
真鍋:……………………
辻 :……………………
真鍋:……………………
辻 :……………………
真鍋:……………………
辻 :しみじみしてる人間の尻をなでるな。
真鍋:だめ?
辻 :だめ。

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香澄とつかさのだらだら生活211日目

 女子寮のある部屋での会話

 ――バタン!

(ものすごい勢いで飛び込んでくる真鍋)

真鍋:香澄んっ! 大ニュース!!
辻 :大ニュースはいいけど……もうちょっと静かに入ってきなよ。
真鍋:それどころじゃないんだってば! 大ニュース!!
辻 :大ニュース?
真鍋:うんっ!
辻 :つかさはいつも大げさだか……
真鍋:理沙子さんやめるって!
辻 :……………………
真鍋:……………………………
辻 :……………………え?
真鍋:だから……理沙子さん、やめちゃうんだって!!
辻 :やめるって……理沙子さんが?
真鍋:そう、理沙子さんが。
辻 :やめるって……引退ってこと?
真鍋:そういってるでしょ、もー!
辻 :マジ?
真鍋:マジ! 来月引退だって!!
辻 :……………………
真鍋:……………………

(しばし、無言で見つめ合う2人)

辻 :……………………
真鍋:……………………
辻 :え~~?

(それは、春の嵐)

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香澄とつかさのだらだら生活210日目

 女子寮のある部屋での会話

(辻にしがみついて寝ている真鍋)

真鍋:す~……
辻 :(しかし、改めて思うけど……)
真鍋:…………す~……
辻 :(なんか、違うよなぁ)
真鍋:す~……す~……
辻 :(何故、ボクは後輩に腕まくらしてるんだ?)
真鍋:……す~…………
辻 :(てか、数日前は同輩にも同時にしてたけど……)
真鍋:す~………………
辻 :(なんか間違ってる)
真鍋:…………す~……
辻 :(……というか)
真鍋:す~……す~……
辻 :(何より間違ってるのは)
真鍋:……す~…………
辻 :(もう片方の手が寂しいとか感じてるボク自身!)
真鍋:す~………………
辻 :(なんかもう……いろいろとダメだろ)
真鍋:…………す~……
辻 :(…………………………)
真鍋:す~……す~……
辻 :(…………………………)
真鍋:……す~…………
辻 :(…………………………)
真鍋:す~………………

(空いた手で真鍋の頭を撫でてみたりする)

真鍋:…………むにゅ……

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Appendix

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オレンジゼリー

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