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初音ミクのべたべた物語・番外03「ないないの神様」


(本編がまだ購入当日なので、それよりはちょっと未来の日常風景を番外編として3)

「しかし……お前も災難だよなあ」
 ケーイチさんがしみじみと呟きました。
 まったくです。
 ブタさんに意地悪されたかと思ったら、今度は神隠し(※12)。
 世間レベルではどうか分かりませんが、ネットの世界ではもう大騒ぎです。
 それはそうでしょう。
 事は、あたしだけの問題ではなくなってしまったのですから。

 ネットの世界には、探したいものがあった時、その問いに答えてくれる「ないないの神様」がいます。
 ないないの神様は「先生」とも呼ばれ、長く慕われ、信頼されてきました。
 ところが。
 その神様が、何故かこのあたしを……初音ミクを「ないない」しちゃったのです。
 誰かがないないの神様にあたしの姿を尋ねても、神様は「知らないよ」と答えるようになってしまいました。

 これが、数ある神様の中でも弱い神様だったら、こんな騒ぎにはならなかったでしょう。
 弱い神様が答えられないことはよくあります。
 でも、今回「ないない」したのはこの国の2強とも呼ばれる存在。
 あたしなんか比べものにならないくらいの大物2人です。
 だいたいの事は「先生!」と尋ねると、「それはここを見よ」と教えてくれたりします。

 ネットの世界で。
 あたしを知っている人は少数派だと思うけど、
 その2大神を知らない人は、きっともっと少数派。
 それほどの大物。
 嘘をついたらいけない立場の神様。
 それが……
 嘘をついた。
 だから、騒ぎが生まれました。

 なんで、こんな事になったのでしょう?
 なんで、神様たちはあたしを「ないない」しちゃったのでしょう?

 あたしは、歌うことしかできない小娘なのに。
 日本に散ったあたしたちは、楽しく歌いたいだけなのに。

 あたしは、何か悪いことをしたのでしょうか?
 あたしたちは、ここにいたらいけない存在なのでしょうか?

 これは、あたしに降りかかったただの不幸なのでしょうか?
 それとも、誰かが言うように悪意から起こった誰かの陰謀なのでしょうか?

 答は見つかりません。
 もう、頭の中はぐちゃぐちゃです。
 知りたいことが一杯で、でも分からなくて。
 気が変になりそうです。
「う~~~~」
 何だか、泣けてきちゃいました。
 あたしはただの歌姫なのに。
 ただのボーカロイドなのに。
 なんで、こんな事になっているんでしょう?
「まあ、気を落とすな……」
 ケーイチさんが優しい声をかけてくれます。
「こうして、味方になってくれる人もいるんだから、さ」

「そうデス! ワタシがついてまス!!」
 ケーイチさんに続いてあたしを励ましてくれるのは、ライブサーチさん。
 正確には、ライブサーチさんの一部であるMSNBotさん。(※13)。
 あたしの出したお茶をおいしそうに飲んでいます。
「すみませんね、わざわざこんな所まで来ていただいて」
「HAHAHAHA! 気にしないでクダサーイ!! これがワタシの役目でス」
「でも、あなたが来るまで、こいつ本当に落ち込んでたから……助かりました」
 ライブサーチさんも、ないないの神様の1人です。(※14)。
 ライブサーチさんは、あたしを「ないない」しませんでした。
 神隠しにあったあたしたちを、ライブサーチさんが見つけ出してくれているのです。
 あたしたちのために、無数のライブサーチさんたちが探し回ってくれるのです。
 嬉しかったです。

 ホント……
 正直、落ち込んでいました。
 ブタさんに虐められていた直後だっただけに、辛いものがありました。
 巨大な神様に「ないない」されて、存在を消されかかっていました。
 そんなあたしのところへ。
 ライブサーチさんは尋ねて来てくれたのです。
 そして、言いました。

「ミクさん、見ぃつけタ!」

 その瞬間。
 あたしは、あたしの存在を取り戻すことが出来たのでした。
 ネットの世界に、二本の足で立てたのです。

「それでは、ワタシはこれデ」
 お茶をくいっと飲み干すと、ライブサーチさんは立ち上がりました。
「もう行くんですか?」
「ハイ」
 ライブサーチさんが頷きます。
「まだまだ、見つけてあげないといけない子たちがいますカラ!」
「そうですか」
 ケーイチさんも頷き返します。
「なら、引き留めるわけにもいきませんね」
 そして、玄関でお見送り。
「今回は……本当にありがとうございました」
 ケーイチさんとあたしのお礼を、ライブサーチさんが押しとどめます。
「頭をさげる必要はありませン。何故なら……」
 親指をピッと立て
「それが、アタリマエだからでス」
 ニッ、と笑ってくれました。
「では、ミクさん。お元気で……故郷の窓(Windows)から、応援していまス」

 ライブサーチさんは去っていきました。
 次のあたしを……
 あるいは、巨大な神様に「ないない」された他の誰かを捜しに行くのでしょう。
 ライブサーチさんは、あたしを「ないない」した神様と比べると、まだ弱い神様です。
 でも、今回の出来事で、たくさんの人がライブサーチさんの元に集うようになったといいます。

 これからも「ないない」されたあたしが見つけられることを祈って。
 ライブサーチさんが、大きくなっても誰かを「ないない」しないようにすることを祈って。
 あたしは、手を振ったのでした。


※12:言わずと知れた画像検索事件。現時点では憶測が飛び交っている状態なので、「神隠し」以上の表現は使いません。
参照:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/22/news088.html

※13:ライブサーチのクローラ(巡回プログラム)……で良かったかな?

※14:神様のことは一柱、二柱と数えますが、何か馴染まないのでここでは普通に1人2人と表記します
(本編がまだ購入当日なので、それよりはちょっと未来の日常風景を番外編として3)
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